発電量わずか、代替ほぼ無理
東京電力福島第1原発事故以降、太陽光や風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)への期待が高まり、太陽光パネル設置を後押しする政治家の発言
も相次いだ。太陽光パネルはどれぐらい普及したのか、自然エネルギーで日本のエネルギーは賄えるのだろうか-。(平沢裕子)
◆菅元首相力説「1千万戸」でも総発電量の4%
「家屋への太陽光パネル1千万戸設置」-。平成23年5月、菅直人元首相は経済協力開発機構(OECD)の演説でこう宣言、さらに「自然エネルギーの発電割合を2020年代までに現在の9%から20%にする」と表明した。
1千万戸に太陽光パネルを設置する場合、1戸につき200万円としても20兆円かかる。東日本大震災における建築物や農水産物などの被害額は16兆9千億円と推計され、設置にはそれを超す金額が必要となる。
発電量はどれぐらいだろうか。平均的な1戸当たり発電量は年間約4千キロワット時で、1千万戸の発電総量は年間400億キロワット時。25年度の日本の総発電量は9400億キロワット時で、1千万戸に太陽光パネルを設置しても総発電量の4%にすぎない。
一方、23年4月、神奈川県の黒岩祐治知事は「4年間で太陽光パネル200万戸設置」を公約に当選。200万戸設置にかかる費用は約4兆円。4年で実現
するために年1兆円必要だが、同県の一般会計予算は26年度で1兆8650億円と予算の半分以上を使わなければならない。筑波大学システム情報系の掛谷英
紀准教授は「どちらも計算すれば非常識な数字と分かるが、当時、大きく問題にされることはなかった。自然エネルギーに関しては今も同様の非科学的な発言を
する人がおり、そうした発言が放置されているのが現状だ」と指摘する。
同県が23年9月にまとめた「かながわスマートエネルギー構想」では「2020年度までに県内消費電力の20%以上を自然エネルギーにする」とし、「4
年で55万戸」の目標を掲げた。55万戸設置の発電量は22億キロワット時で、24年度の同県の消費電力量485億キロワット時の4・5%。ただ、目標の
非現実性に気づいたのか、今年4月の「かながわスマートエネルギー計画」では11%にトーンダウンした。タオバオ代行
没有评论:
发表评论